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春がいっぱい

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2022.03.23

03 装飾テント

haco

街の中に潜むキュートなモチーフや建物、風景をお菓子で表現するスイーツ作家hacoさん。今回から街の気になった一部分を切り取って、アイシングクッキーで描く連載「Eatable City」。hacoさんのフィルターを通して見ると、街の中にはお菓子みたいなモチーフがたくさん。お菓子目線で街を歩けば、いつもの景色がかわいらしく思えてくるかもしれません。


 

主にお店の正面に取り付けられ、雨や日差しを避けたりそのお店の看板代わりになっていたりと、いろいろな役目を担っている装飾テント。色や形も様々で、中には店の個性を引き立て、建物に彩りを添えているものも少なくない。今回は、色や形に惹かれた装飾テントをアイシングクッキーで再現してみた。

戸山クリーニングの装飾テント


都営戸山ハイツアパート33号棟の1階、15枚の赤と青の長方形が横にずらりと並び、遠くからもすぐに分かる戸山クリーニングの装飾テント。


建物部分の屋根の前面に取り付けられていて、日除けと看板の役割を果たしている。


テントを支柱に固定するためのロープを細かく描いてみたら、平面でシンプルなクッキーに立体感が生まれた。

喫茶田園の装飾テント


JR常磐線金町駅の北口を出てすぐ右手にあるビルの2階、パラソルが連なったような装飾テントつきの窓がかわいい喫茶田園。


傘みたいな丸みを帯びた形とオレンジと白の配色がここの装テンの最大の特徴。


どうクッキーにしようかと色々考えたが、傘の構造を参考に、まずはクッキー生地を円形に型抜き。それを放射状に16分割し、テントの形になるようシリコンの型に貼り合わせて焼いて土台をつくり、立体感を出した。さらに別で焼いた小さな半円を後からアイシングで貼り、下のヒラヒラ部分も再現。


内側から見た装飾テント。構造がよく分かる。


田園の窓辺に置いてあった、ビーズでできた白鳥。

coffee shopアンデルセンの装飾テント


東京メトロの茅場町駅を出て、少し南に歩くと現れるアンデルセン。


装飾テントは半円柱を並べたような面白い形で、黄緑に赤と白の細かいストライプの組み合わせがかわいい。(アール窓もいい)


曲線を再現するため牛乳パックとアルミホイルでかまぼこのような形の型を工作。


トンネル状に焼けたクッキーにアイシングを塗ったあと、長方形に焼いたクッキーの土台に貼り付けた。


装テンの内側の空間も再現したつもり。

お店を見つけた日もクッキーの写真を撮りに行った日も定休日だったので、今度また営業していている日に訪れたい。

イチイ美容室の装飾テント


京王永山駅と中河原駅のちょうど中間あたり、鎌倉街道沿いにある、美容室イチイ。

装テンの形もちょっと個性的だし、なにより、大胆に描かれた「パーマ」「イチイ」の文字のバランスやデザインが素敵。(アーチ窓もかわいい)


文字が『ベルサイユのばら』のロゴみたい。昔の少女漫画に出てくるようなデザインに惹かれる。手描きでこの文字の再現は厳しいので、型を作ってアイシングでステンシルした。


裾の形に沿ってロープを描いている内に、小さい頃、建物の絵を描くときにはいつも屋根の下側をなみなみにしていたことを思い出した。


店の装飾テントの写真を撮っていたら猫が入り口にやって来た。外の様子を確認しにきたみたい。かわいい。

haco

アイシングクッキーやバターケーキなどで、街にあるモチーフを表現するお菓子作家として活動中。東京ビルさんぽメンバーとして「いいビルの世界 東京ハンサムイースト」(大福書林刊)に携わる。2022年にはトゥーヴァージンズから『秀和レジデンス図鑑』を刊行予定。1960〜70年代に建てられた、とくにデコボコ、ギザギザしたヴィンテージマンションや駅の床にある矢印を撮り集めている。