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2021.10.01

新しい懐しさを探しに

山下陽光

未来の世界から「今」の時代をふりかえり、きっと激変の時代だったと語られていくことでしょう。そんな「今」のなかで、ハンドメイドファッションブランド「途中でやめる」の活動で知られる山下陽光は、賢明に花を摘んでいます。
いったいどんな花を摘んでいくのか?
本人の言葉で綴られるセルフドキュメンタリー。
旬なネタを取り上げているため、記事はアーカイブせずに最新の「今」のみをお届けいたします。

 

新しい懐かしさを探しにいきたい。

1977年生まれで90年代はクソバカ若者だったのでその頃の1977年生まれあるあるみたいなのじゃなくて、自分でみつける新しい懐かしさはないだろうか?
みんなが歩いた人気の懐かしい道には、評価も価値も上がってて面白くない。

1人で夢中になれる誰からも思い出されていない懐かしさを探しに行ってみる。
今回のその日の花は、新しい懐かしさだ!!
最初に思い浮かんだのが90年代にやたらと求人誌を買って、あーだこーだと文句だけ言って応募の電話を一切せず読むだけで達成感があるダメ野郎だった。
フロムAとan(アルバイトニュース)が月・木発売でそれと一緒にミニッツメイドピンクグレープフルーツ味のクソデカサイズ瓶130円くらいのを買って、読みながらこれじゃねぇーなと風呂無しアパートで言っていた。
あの頃をもっと立体的に思い出すためにメルカリで90年代の求人誌を探すが見つからない。あの時住んでたアパートまだあんのかな?
中野区大和町3-4-5中村荘、まだ残ってるやんけ!
斜め前の風呂屋が家風呂の古い浴槽を回収してきて腰の悪いジーさんが金槌で破壊してる音がトンカントンカンうるさくて、壊さずにここに風呂よこせって思ってた記憶蘇ってきましたよ。
次は、インターネット以前のタイムラインでお馴染みチケットぴあ1996年4月2日号 加藤紀子表紙と1998年10月19日号 広末涼子表紙を入手。

加藤紀子号1996年は開けた瞬間ウルトラハードジェル柳葉敏郎が、前髪だけをくるりんとたてるジャンプ台みたいな髪型で登場みんなやってた広告。
98年J-phoneの藤原紀香などなど、わかりやすい王道懐かしさには目もくれず。

1996年渋谷CLUBクアトロでコーパスグラインダーズのライブ行きましたよ。上京から数日しかたってないけど1人で行ってあばれちらかしたんですが、その日の事をインディーズマガジンでコーパスのZERO氏がめちゃくちゃ暴れてる奴が2人いて、1人はプンクボイ(ロマン優光)でもう1人は10代くらいの若者で嬉しかった。というような事を言ってて、それを高円寺文庫センターで立ち読みしてめちゃくちゃ嬉しくなった記憶。
ライブは3月26日なので記憶の捏造の可能性があるんですが、文化服装学院からの帰りでパターン用紙を入れる細長い黒い筒が、ザ・服飾専門学校生って感じがとても嫌でコインロッカーに入らないのでロッカーの上に隠して盗まれないかドキドキした記憶もセットで覚えている。

左のコメカミを針で刺したら右手の腕時計が、2時間すすむような記憶のピタゴラスイッチ思い出し作戦として
1998年10月放送のTVCMまとめをYouTubeで観ながら98年10月のぴあを読むと別視点別角度から見たら何かが浮かんでくるかもしれない。

華原朋美〈桃の天然水〉ひゅーひゅーだよCM、懐かしさの王道に着地。
朋ちゃん大好きなイケメンすぎる友人の松尾健成を思い出した。ひゅーひゅーだよとか言いまくりながら、桃の天然水と早稲田通りのセブンイレブンのブリトー食べてたなー。その隣の汚い弁当屋の唐揚げ美味かったのも思い出したし、ケンセイの家は馬橋通りのマンション1階オートロック角部屋でメシ食いながら、バズコックス3曲聴いてから駅前にナンパに行くのが1998年ルーティンだった。桃の天然水からケンセイの角部屋とその部屋の番号押してロックが解除されるのを待ってる時間が蘇った。ケンセイ元気かなと調べたら大活躍してたので、こっちはつるハゲだよ!と。

昔の雑誌はその時が真空パックされてるので思い出す装置として優秀すぎるので、もっと荒野を探そう。


森元斎・著「もう革命しかないもんね」で初めてお金を稼いだのが登録制のバイト、グッドウィルだったと書いてある。
懐かしいぞ、登録制バイトGoodwill。何かあるかなぁと検索したらGoodwillのTシャツが出てきた。めちゃくちゃ着たおしててクタクタでいい感じ300円。


別バージョンのGoodwillのTシャツも入手してたら、ライバル企業の別の登録制バイトフルキャストのTシャツも買えた。

80年代のアメリカのワークウェアとか言ってありがたがってるけど、今持ってるのは90年代の搾取されまくった労働着と考えると、なんで古着屋が海外の労働着をありがたがるのかがよくわからない。国内に目を向けたら誰でも簡単に入手できて、付加価値がつけにくいからなんだろうなとも思うし、海外では無価値なのを場所に転用する事で価値を生み出しているだけなのかもしれない。バックプリントのGoodwillのマークは握手してると見せかけて、荷物運ばされてるやんけ!


SAPPOROのgoodwillを着てた人はブルーハーブのライブに行ったりしてたのかな。

次はもっともっと最近の大迫半端ないってTシャツ。コレを買って何かが吹っ切れた。欲しくないのに買うスイッチと言えばいいでしょうか。
一周回っていいね!でも着ない気がする。最先端懐かしい=遅すぎるだけやんけ!とも言えるもので、1000円以下なら何買っても良いスイッチを入れてしまってから、メルカリ見るのが楽しくなりすぎて脱Twitterに成功した代わりにメルカリ中毒真っ最中だ。

このテンションでもっといらないものを買うぞと鼻息を荒くしながら、付加価値が付きまくった90年代バンドTを見てるとムカムカしてくる。
supremeがバッドフォールサーファーズ、undercoverがテレビジョン、hysteric glamourがロイヤルトラックス、なんだか全部好きなバンドだけど全部ヤダ!
なんでそんなことするの?って思っちゃう。ブランドも音楽も好きならいいけど高くて買えないから拗ねてるだけでしょ?って思うかもしれませんが、その通りです。
うらやましかーーー

でっ、1000円じゃ買えないんすよ。パクリとかリスペクトとか色んな議論があって、このブランドがブラックフラッグのロゴをパクってる。
いやリスペクトだとかそういうの。そうじゃなくて、こっそりとバレるかバレないかレベルで激安量販店にパンク紛れ込ませてる、隠れキリシタンパンクを発見したんですよぉ。
何ぃ!やっちまってるな。

俺の原宿渋谷下北高円寺でお馴染みのメルカリ最安Tシャツコーナーを徘徊してたら、見覚えのあるバンドロゴHüsker DüのHüsker 部分だけが見える。よく見たらマイナースレッドも木陰に隠れながらバレない程度の自己主張している。ファッション誌の表紙で己の頭で後ろのタイトルロゴを隠すかのように、伝わる人にだけ届けばいいという奥ゆかしさとパクってませんよと二重の行為で、パンチととんちを効かせまくってる。
これはパクリとリスペクトに入らないんじゃないの?


一つだけなら単なる偶然で済むんだけど、タグのFREEBEATを検索したら、2000年代後半カツアゲされギャル男みたいな服がたくさん出てきますが、これまた英字だらけの中に突然こっそりジェロビアフラ率いるデッドケネディーズの文字が!



こらーー!と言いながら嬉しくなって購入。
着ますか?絶対着ないです。

気になるFREEBEATを調べたら岐阜メーカーで岐阜はアパレル産業が盛んで、我が家の中古の工業用のめちゃくちゃでかいミシンも岐阜の会社から買ったし、前回書いたわさびについても名産だし岐阜大学の山根京子さんが書かれたわさびの日本史はめちゃくちゃ面白い。そして岐阜と言えばパンクのメカでしょ。


先日、久々に東京に行って御徒町の激安リサイクル古着屋たんぽぽハウスでヨレヨレのSANTA BARBARA POLO&RACQUET CLUB とプリントもはがれまくって割れまくって平たく言えば、ポロラルフローレンのパチモンTが105円で売ってたので即購入。

この手があったか!偽poloラルフローレンシリーズって一体何種類あるのか?遠足のお菓子じゃないけど1000円以下のTシャツなら買ってもいいスイッチがギンギンに入ってるので、ギンギンに購入しまくったシリーズを一挙に公開どうぞ。


まずは1番有名なpolo club グッドウィルの成功体験からかやたらと紺色を買いたがる感じになっております。刺繍バージョンでなかなか良い感じで、このpolo clubは1番凄い時で300億円もの売り上げがあったとの事で途中でやめるの3000倍くらいすごいやんけ。しかも今は眼鏡のzoffをやってるというからすごい。


次は値札付きのpolo Ground 9800円と書かれてますが高すぎるだろっ。


次はROYAL POLOで馬が2頭に増えた。そしてラケットが下向きなのもあってちょっとレアなのか。
今から自分だけがこのなんちゃってポロを集めて、独断偏見だけで自分だけの価値をつけられるのが楽しい。


続いてpolo izod コレは左利きの選手でIZODラコステとpoloの良いとこどりなのがいい。パロディでもオマージュでも偽物でなくこの感じはなんと言えば良いんだろうか、ただ雑なだけか。


続いてpolo spiritこちらは初めての馬もポロイラストも無いバージョンです。


polo seasonです。ポロの季節


polo country ポロの国

CLUB、SEASON、ROYAL、SPIRIT、IZOD、GROUND、COUNTRY

これには一体何があるのか?何もねぇよが正解ですが、
この連載は、書いた事を服にするというお題があります。


参ってしまいました。忘れられた意図しないこととして集まったものを並べてみたら大迫も偽poloも紺色と白が半端ないってことでこの2色で服を作ってみよう。


白に紺色の毛糸で縫って、紺色に白で縫ったのを更に2つにわけて繋げてみた。
偽 poloとgoodwillの間に大迫半端ないって差しこんだらいい調和になったでしょうか?


なんだか全然わかってないしオチにも答えにもなってないんだけど、何か一つに執着して激安の誰も注目してないジャンルのものをポチりまくると脳内麻薬でて最高に楽しいんですが、美しく見せたり、付加価値つけるセンスが皆無すぎて、もう要らねーとか思いながら偽polo着るのめちゃくちゃ楽しくなってきたので、次もまた日本語のマラソン大会Tシャツとか探してみたいと思います。

山下陽光

やましたひかる
1977年生まれ。途中でやめるという手作りのクオリティ低め、値段低めのファッションデザイナー。
下道基行、影山裕樹と新しい骨董というユニットも。
コロナ禍で見つけた新しい趣味 わさび採りに夢中。
著者にバイトやめる学校(2017)タバブックス